長い年月を過た物などに魂が宿り妖怪化したものを付喪神といいますが。
この物にも何らかの魂がという話は、まんざら嘘でもないような気がします。
家に古いミキサーがあるのですが、頻繁に使う物でもなくある時久しぶりに取り出して使ってみました。
すると混ぜているその閉めた蓋の隙間から中身が漏れる様になってしまっていました。以前はそれなりに使っていましたし、仕舞い込んで長い為に仕方が無いかと思い、もう捨てるつもりで出して置いておきました。
暫くはそうしてそのままにしていたんですが、少しして手近にあったものですから何となく再びそのミキサーを使ってみました。すると、もう駄目かと思っていた漏れがピタリと無くなり、ごくごく普通に使えるようになっていたんです。これならまだ大丈夫だと思い、ミキサーは捨てずに置く事にしました。
何ていう事無い話何ですが、面白いのはその後たまに使う様になって暫く、再び漏る様になり今度こそ駄目だなと捨てようとすると何故か漏らなくなるという現象が続いた事です。
それからはそのミキサーが漏り始めると、ミキサーに向かって「捨てようかな・・・」と脅しをかける様になりました。
そんな事を続け、今でもそのミキサーは家に居ます。
こう続くと何だかそのミキサーが可愛く思えて面白いではないですか。
また、先日自転車の事を書いたのですが。
文句たらたら、新車を購入したので怪音を上げる古い方は場所もありませんし捨てるつもりでした。
ところがどうでしょう。それまで恥ずかしい位の音を上げていたペダルが突如として軋みひとつ上げなくなったではないですか。
かなり古いですがそれ以外は全く問題なかった自転車です。以来全くの快調で、現在親の通勤を悠々と手伝っています。
おそらく偶然何かが上手くはまっているだけなのでしょうが、捨てると言えば急にもうひと頑張り始めるという様は、長い間手元にあった物でもあり何だかとても健気に見えて仕方ありません。
現在現役のブラウン管テレビは自分よりも年上です。たまに画面が乱れてはその度に「買い替え時か?しっかりしろホラ」とペシペシ叩きます。
物に向かって叱咤激励する姿は傍から見れば奇妙だと思いますが、こういった事がちょくちょく起こるとどうしてもやらずにはいられません。